ライブ参戦備忘録

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「LUNGS」 サンケイホールブリーゼ 11/6夜公演

2年ぶりに!

神山さんを見てきました!!!!!!



すっかりうえすと君たちから心離れちゃって(というか完全にAぇに心奪われてしまって)、ダブトラもrainboWも応募せずにいた2年…。
ついでに申し訳ないけど正ロクも見てなかった2020年…()

今回はストレートな上に面白そうだな、と思ったので応募したんですが、名義が休止してたせいか当たりましたーイエーイ!



本来なら千秋楽間近、な公演だったんですけど、色々あって東京公演が後になったのでまだまだ序盤ですよね。
というわけでここから先はネタバレしますが、未観劇の方ばっかりだと思うので回れ右してください。
もしかしたら配信もあるかもしれませんしね!
グローブ座舞台でも諦めちゃダメ!
配信されて見逃しでも何回でも見て拗らせるっていう可能性は0じゃないから!!!(特殊)
























なんてド派手に改行しましたが、正直なんかこれまでの舞台のレポみたいには書けなさそうなんですよね。

というのも、セリフがまじでマシンガンで、今まではキーとなるセリフみたいなの結構ちゃんと覚えてたけど、そういうのを追うというよりは、若い男女2人がこのくらいの勢いでぶつかるほど真剣に子どもを作るという行為に対して考えている、っていうお話というか。
セリフを追って考察するというよりはセリフを受けて自分はどう考える?みたいな感想なんですよね、これ。

所々そうじゃないところもありましたけどね。




とりあえず会場はグローブ座合わせなのか、座席がブリーゼなのに最前部分が横から見れる席が出来てました。
新しい。

舞台は普通の舞台とそこと続きになる感じで前方に円形の舞台。



開演時間が近付くとスモークほどではないけど、照明用の塵みたいなのが結構舞ってるのが見えました。


お話が始まる前に神山さんと奥村さんが登場。
特に何か喋るわけでもなく準備運動を始めるんですけど、まだ役に入ってるわけじゃないのでアイドル神山智洋として色んな席のヲタクにおてて振ってくれる神山さん(かわいい)
奥村さんにも「やってみる?」みたいな感じで振ってあげるんですけど、奥村さんは私はいいです、みたいな感じで遠慮されてて断られちゃうんですよ。
その時の神山さん「ええやん別に(笑)」
かわいいいいいい!!!!!!!!!!!
この先この2人がえげつないパワーを放ってくるなんて微塵も感じさせないほんわか空間が広がっていてめちゃくちゃ好きでした。
この時点でもう2年ぶりにまともにチケット応募して当選させた甲斐があった()




準備運動が終わって向かい合うといきなりセリフが始まります。

というか、全体的に唐突なんですよね、この舞台。
海外の作品だから、なのかもしれないけど、今まで触れたことがないような展開の仕方でそれも面白かったです。



前半は赤ちゃんを作るということはいいことなのか?という問題。

私達は当たり前に子どもができる=おめでたいこと、と認識しているけど、はたしてそれは本当にいい事なのだろうか、という問題です。

なぜか最初イケアにいるところから始まって、「こんなところでする話じゃないでしょ!」って言われてばつが悪そうにする神山さんがとてもかわいいんですが、喋ってることはめっちゃ真面目なんですよね。
ここから奥村さんの怒涛の畳みかけるようなセリフがまじですごい。
というか、全体的に奥村さんのセリフ量がえげつい。
割と早口な人間なので他人の早口も聞き取れる方ではあるんですが、それでも聞き逃しちゃうところ何個かありましたね。
それでも話が分からなくなるとかじゃなくて、それだけの勢いとパワーを持っている女性っていう役になっているのがさらにすごかったです。
女の人ってすごい。


で、最初の問題ですね。

たぶんこの最初の時点では神山さんは子どもが欲しいけど、奥村さんはまだ欲しいのか確信が持てないような状態。
(この舞台、登場人物の名前が出てこないのでそのまま役者さんのお名前で書いてます)


この地球上に新しい人間を1人生み出すということの重大さや責任について考えるとキリがない、っていう話ですね。

今地球上には人間が溢れかえっていて、あらゆる資源を搾取している。
もうとっくにそれを元に戻せる転換期は過ぎてしまっていて、気候変動も起きているし、環境の変化を私達は軽減することくらいしかできない。
果たしてその世界にまた新たな人間を1人生み出してもいいのか。

出産に対してこういう視点で考えたことがなかったので余計にめちゃくちゃ考えさせられました。
地球の事を考えれば、このまま人がどんどん死んでいく方がいいに決まってる、みたいなセリフが印象的でしたね。


あとこの序盤からずっと出てくるのが「いい人間」「悪い人間」という考え方。

「僕達はいい人間なんだ。」
「私達はいい人間なんだよね?」

このセリフが個人的にはとても印象的です。


私の周りにいないだけなのかもしれないけど、あんまり「いい人間」「悪い人間」っていう概念は日本では浸透していないような気がするんですよね。
どちらかというと、漢文で習う「性善説」「性悪説」みたいなのに近いのかな、と。
海外では主流の考え方なんですかね。
分からんけど、このいい人間・悪い人間を意識して生活する感じが新鮮でした。


悪い人間がどんな人間なのか、という話は具体的には出てこないけど、なんとなく、何も考えずに子どもを産んでる人達はどちらかというとそちら側な感じの扱いでしたね。
言い方は悪いけど、そういう人もいるんだよ、っていう神山さんの困った顔がかわいかったです。
基本的に奥村さんのパワーが強いので神山さんは押され気味な感じなんですけど、それが近年の男女の力量バランスを綺麗に反映してる感じがして、さすが紹介に「現代劇の最高峰」と言われるだけあるなぁと思いました。
この点も海外っぽいのかな。
まだ日本では男女平等とは遠くて、女性の方がパワーがあるような感じはあれど、やっぱり男性が女性を圧するのが通常である、という暗黙の了解みたいなものが染みついてしまってる気がします。
そこが覆ってるのも、面白い理由なのかもしれない。

そもそもでこの舞台の設定として神山さんは音楽の道に進みたかったけど諦めて会社に就職したサラリーマン、奥村さんは現在博士課程で学ぶ学生、という設定なのもいいですよね。
奥村さんの方が知識豊富で言葉でのやり取りになったらどうやっても強いんですよ。
そこでちゃんと話し合いをしよう、と何度もお互いが確認し合う部分がこのカップルが続いている理由なんだろうな、と思います。
人間やっぱり話し合うことが大事なんだろうな、っていう。



その後、子どもを作る覚悟を決めるわけですが、いざそういう行為をしようとするとやっぱり怖くなってしまう奥村さん。
自分の中に自分じゃない生命体ができると思うと怖い、みたいなセリフがあって、それに対して男の人はその瞬間で終わりでしょ?!って言うんですよ。
その通りですよね。
圧倒的に子どもを作るという行為は女性側に負担が大きいし、それに対して男性側はしたくても何もできないわけじゃないですか。

生物としての1番の目的が子孫繁栄なのであれば、女性の方が圧倒的に貢献しているのに、人間は圧倒的に男性の方が権力を持っていた歴史があるの本当に謎。
逆に子どもを育てる手間がいらないからなのかなぁ。
この辺は社会学とか歴史の問題ですね。


それに神山さんに対しても時々怖くなる、みたいなセリフがあるんですよ。
で、それを認めたときの神山さんのセリフが狂気じみていてとても好きです。
時々とても君を壊したくなる、とか。
全部俺のものにしてしまいたくなる、とか。
なんで彼はこういうメンヘラセリフが似合うんですかね()


とりあえずここが第2の問題ですよね。
子どもを作るという行為に於いて圧倒的に平等ではない男女。

例え命を宿すということに恐怖を抱かなくなったとしてもその後生み出すという点で痛みが伴うのは間違いなくて、それに耐えられるかも分からない。
自分にもし子宮があったらあなたは子どもを産みたいと思う!?と尋ねる奥村さんも印象的。
世の中の子どもが欲しいと思っている男の人達は1回これを考えてみるべきなんじゃないかな、と思います。



そして無事に妊娠した後にもまだまだ問題はあります。

まずこの時点で結婚してないんですよね、この2人。
それも日本じゃかなりイレギュラーなことなんじゃないかな、と思うんですが、海外だと違うんですかね。
それとも、結婚しなくてもパートナーとして生活する、という新しい考え方なのかな。
分からんけど、どちらにせよ今の日本にはあまり馴染みのない考え方かな、と思いました。
でもこれが主流になるかもしれないしね。
別に一緒に楽しく暮らせるのであれば、法制度さえ整えば結婚なんて書類上の関係でしかないんやからいらないもんね。
そういうところも考えさせられます。



あとたぶんこの辺があれですよね、ヲタクがしんどいって言う感じのシーンですよね?
あー、なるほどねーと思いながら見てしまった(誰目線)
なんかもうほんと、「染、色」振りのリアル舞台だったし、あれと比べるともうどんな自担でも見れるんじゃない?って感じしません?
リアルと配信で「染、色」乗り越えたヲタク最強説提唱したい()

組み敷いてるところもしんどいけど、それより奥村さんのことバックハグして2人で理想の子育ての話してるときの神山さん、バックハグしてる側のくせにテディベアにしか見えなくて申し訳なかった()
なんであんな床に座ってる神山さんかわいいでしょう…。


話逸れたわ()



妊娠したかも、ってところで検査薬を2人で確認するシーンはまだかわいいんですよね。
でも、それをどう伝えるか、っていうところとかね。

さっき書いたけど、この2人結婚してないんですよね。
それを2人とも親になんていうか、っていう。
ドラマとかなら不貞を働いて、みたいな感じの気まずい感じになるけど、この話では別に結婚してなくてもそういうことするのは普通、な感じがしました。
受け取り方の問題かもしれないけど。
でも、悩んでるのがお互いの親との話し方というか、仲みたいなところで、なんて言い訳しよう、っていう感じではなかったかな。
そもそも、そういう感じなら子どもできたって分かった時点で結婚してるでしょうし。
そうしないのは、やっぱりこの物語の世界では結婚というのはただの儀式というか、書類上のものであんまり重要視されてない、っていうことなんじゃないのかな、と。


なんか、こういうところがとても現代的よね。
生物的に子どもを作るっていうのは男女のパートナー関係でしかできないことやけど、それが必ずしも結婚という関係性になる必要はないし、子どもを作るということに焦点置いた話やから難しいけど、同性のパートナー関係に置き換えても良い話なのかもしれないなぁと思いました。
ほんと、「染、色」とは違う意味で色々考えさせられる…。



これ、まだ妊娠したところまでやっけ?(数日かけて書いてるから忘れる)


妊娠した後、まあしばらく色々あるんですけど、でも途中で流産しちゃうんですよね。
どうせ4分の1はこうして生まれてくることができないのだからあんなにはしゃいで連絡するんじゃなかった、っていうセリフが印象的でした。
あと、流産して子どもができない、という事実に対して神山さんに「ほっとしてるでしょ?!」って突っかかるところ。

いざ子どもができる、って分かったときのシーンで、神山さんは子どもが欲しい側だったはずなのに逆転するんですよ。
これから自由に行動することができなくなる、という事実にネガティブになる、というか。
旅行に行くとか、好きなことをするのも子どもを優先しなければいけない。
若いうちにできることはやらなくちゃというけど、子どもがいるとそうもいかない。
本当に今子どもができてよかったのだろうか。
そんな風に考えてたのを分かってる奥村さんが神山さんに言うこのセリフは母親の強さというか、変化みたいなものを感じました。

だって、最初は子どもに対する感情が逆だったんですよ?
自分に育てていけるのだろうか、という不安で子どもを作ることにマイナスだった奥村さんが子どもが流産してほっとしてるんでしょ!?とつっかかる感じ。



しかもこの後奥村さんは子どもを亡くしたことで塞ぎこんじゃうんですけど、それに耐えられなくなった神山さんは職場の若い女の子と浮気するんですよ。
まあ、描写的にはキスしただけ、ってなってますけど。
あぁ、男女の価値観の違いってやつだぁってなりましたね。



人間が本能として子孫を残すことを第1に考えてるなら、意外とこの男女の行動っていうのは理解できるかもしれないな、って私はここで初めて思いました。
この手前にあったセリフの「その瞬間だけがよければいいんでしょ?でも私の中にはその瞬間からずっと新しい命があるんだよ?」みたいなセリフがめちゃくちゃポイントだと思うんです。
男の人は自分の子孫をたくさん残したいし、それができる。
対して女の人は自分の子孫を残したくてもお腹に子どもを宿してる時間が長いためにそう何度も出産できるわけじゃない。
そう考えると子孫を残すことが第1目的の男の人としては別に女の人1人にこだわらず色んな人に子孫を残してもらう方がいいじゃないですか。
だからきっと男の人が浮気する話が多いんだろうし、これもそういう話なんだろうな、ってなんか思っちゃったんですよね。

今の現代社会は働かないとお金がもらえなくて、お金がないと生活ができないので子育てだけに時間を取られると生きていけないし、だからこそ夫婦で頑張らなければいけない、ってなるけど、ここにお金とか働く概念がなかったらこれも変わると思うんです。
お金がなくても生活ができて、働く必要もない社会なのであれば、女の人は別に男の人がいなくても子育てできるんじゃないかな、って。
もしもそういう社会なのであれば、女の人も旦那さんにこだわることもなくなりそうな気がします。
まあ、現代社会はそんな甘くないので生活するにはお金が必要だし、お金を稼ぐには働かなければいけなくて、それには子育てに時間を全て割いている場合ではないから夫婦や家族で協力しなければいけないんですけども。

それをお互い分かっているはずなのに本能的なものに負けて若い職場の女の人の方に行っちゃう神山さんとてもクズい役ですね。
こういう人間的にクズな役とても上手で毎度好きになる()



これをきっかけに2人は1度別れるんです。
でもまあ、2人舞台なので場面は一気に飛んで数年後に再会する場面(だったはず)



奥村さんの方からお母さんが亡くなったことをきっかけに連絡を取って再会を果たした2人。
その時点で奥村さんは流産した経験が忘れられず、ずっと誰とも付き合わずにいたけど、神山さんにはその間に何人も付き合った相手がいて、今はフィアンセもいることが発覚。
これも男女の価値観の違い、というか、さっき考えてた子孫を残すという目的に焦点を置いたときの本能の違い、みたいなものですよね。
男の人はむしろ早く次の女の人にいかなきゃ1人の女の人にこだわってたら結局子孫たくさん残せないもんね。
これだけ色々なものが発展している現代社会においてもそこの本能的な部分って何千年も変わらないんだろうなぁと思うとこれまた色々考えさせられますよね。


で、この後クズ役の神山さんはフィアンセいるのに奥村さんと一夜を過ごすんですよ。
その後も何回も会うようになるんですけど、その結果奥村さんがまた妊娠するんですよね。
フィアンセがいるのにね!
結局男の人はその場だけよければそれでよくて、女の人が苦しむんだ、っていう社会の縮図的な部分ですよね。
そうやって自由に動けるから男の人は権力を持つようになっちゃったのかなぁ。

フィアンセに奥村さんが伝えにいこうとするシーンとか、圧倒的に女の人の方が精神的に強いことが分かるんですけど、それでも最終的には神山さんが自分で伝えに行くことに落ち着くし、主導権的なところは男性なのかなぁって。
物理的な力の差なのかなぁ。
まじでめちゃくちゃ考えさせられる。



今度の妊娠では無事に出産ができて2人に子どもができるんです。

ここからは舞台を回しながら(ほんとはもうすでに何回か回ってるんですけど具体的にどこで回ってたか覚えてないので略)、月日がどんどん流れていくんです。
その中で、神山さんが先におそらく病気で亡くなり、ライトの当たらない縁の部分で神山さんが座るんです。
そこから数年経って、奥村さんもたぶん最後は亡くなった、っていう描写になるんだと思うんですけど、神山さんがいるお墓に話しかけながら暗転して終わるんですよね。
この話しかけてるとき、神山さんは亡くなっているので全く動かない、という描写もありなところを、奥村さんの話を優しく聞いてあげるために目線を合わせてくれたりにこにこしてる神山さんが、色々あったけど最終的にちゃんといい夫婦になれたんだなっていう感じがしてよかったです。
まあ、途中だいぶクズだったけどね!

最後の暗転で終わる感じはめっちゃ綺麗だったと思います。
何より結末が分かりやすいよね!(染、色を拗らせたヲタクの声)



カーテンコールは2回でお話はなく、2人がお辞儀して、最後神山さんが1人でもう1度お辞儀して終わり、という感じでした。





これ、だいぶ端折ってるけど、でもとにかく考えさせられる部分はいっぱいあったんですよ。
セリフ1つ1つというよりかは流れ、っていうのかな。
現代社会に生きる男女の誰しもが抱えるであろう問題。
何か特別な設定があるわけじゃなくて、どんな男女でも抱えうる問題。
もしかしたら男女じゃないパートナー関係の人達も抱えるかもしれない問題。
2人の名前が出てこなかったのも、それを表すためなのかなぁと見終わってから思いました。

正直これは神山さんのヲタクである女の子たちが見るより、現代社会に生きる20~30代の男の人達が見るべきだと思いますね。
あと男女の概念が古いままのおじさんとか。
これを見るのが大事、というよりはこれを見た後何を感じてそれを誰と共有するかが大事な気がします。



まじで「染、色」とは違うパターンの深く考える舞台で、考察とはまた別物なので私のいつものレポに比べると短いんですけど、ここで終わります!
結論、普通に色んな人が見て考えるべき舞台です。

こんな拙いレポここまで読んで下さった方がいたらありがとうございます。


次はAぇのオリックスのレポが書きたいな!!!!!