ライブ参戦備忘録

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「オセロー」 新橋演舞場 9/13公演

 

 

どうも!

ついに行ってきました。

私の自担が出演する舞台「オセロー」!!!

 

 

KAT-TUNの横アリ公演に当選したためどうせ関東に行くなら、と一般でチケットをとってやりました。

 

いやぁ、松竹の舞台って、一般とりやすいよね←

 

 

取った席は3階席中央。

なんと柱の関係で2列しかないんですよ。

ということは、2列目を取れば2列目なのに前のめりになっても怒られない!

最高!

ってことで2列目のほぼ中央を取ってやりました。

たぶん、同じ考えの人が結構いたのか、私のお隣さん以外は同担と思わしき同年代の人達でした。

ちなみに、お隣さんは芝翫さんのファンの方と思われる方でした。

 

 

 

ちなみに、まだ公演が続いているので書くんですけど、新橋演舞場、座席の値段設定の幅がとても広いのでFCチケット含む1等席は12,000円なのに対し、私が取った3階席中央は4,500円、3階席の横側の席に関しては3,000円なんですよね。

まあ、平日やったししゃあないのかもですけど、2階席3階席の横側の席、割と空席で。

2階席は4,500円、3階席は3,000円なのになぁ・・・と思ってしまいました。

だって上手側に座れば花道しっかり見えるし、見にくいところはモニター付きやからそれでカバーできるんだよ?!

なんなら3階席中央は花道ほぼ見えないから1,500円も安いのに花道がしっかり見えるんだよ?!

関西住みなので滞在時間も限られてるし、1回しか入れませんでしたが、もし私が関東住みなら2回入ってた。

確実に上手側の席取ってた。

 

 

 

さて、そういう小言を挟めばもうネタバレやだよー、って人はいないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあ、ネタバレ満載超私的備忘録のためのレポ行きまーす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず暗転よりも先に会場に響くのはコーラスの声。

その声が聞こえるとまあ、そりゃがやがやしてたのが静かになっていくわけで。

それに合わせて徐々に暗転。

でも、完全に真っ暗になるわけではなくて、幕にゆらゆらとした照明があたっていて。

この時点ではなんとなくそうかな?ってくらいやけど、後からちゃんと波を表現したものってわかるような音も入ってました。

 

この幕が元々ラメというか、キラキラしたものが混ざってるような生地になっていたので、照明があたるとよりキラキラが幻想的で、すごく計算された演出だな、と思いました。

松竹座はこんな幕じゃないもんね。

 

そして、この照明はそのままに幕がゆっくりと開きます。

 

幕に当たっていた照明は幕が開くと床に映ります。

そこはまさに水の上。

そして上下(かみしも)両方から舟が登場。

 

この舟の動き、3階席から見てたくせによくわからなかったんですけど、何か紐で引っ張ってる?

「青い種子は太陽の中にある」のときみたいに後ろで誰かが動かしてるのかな?と思って必死に見てたけど、照明があんまり明るくないのでよくわかりませんでした。

でも、誰もいないように見えました。

人3人くらい乗ってるのに紐で動かせるのか?

なんてことを考えてると3隻目の舟が登場。

たぶん下手からやったかな。

 

そこにはイアーゴとロダリーゴーが。

 

 

あ、もう面倒なので基本役名で喋っていきます。

オセローの配役知らない方は1回それ見てから・・・

まあ、たぶんイアーゴのことばっかりです←

 

 

 

イアーゴとロダリーゴーは親友という設定。

そしてこの最初のシーンでイアーゴとロダリーゴーがオセローを恨む理由の話があります。

 

 

イアーゴは自分ではなくキャシオーを副官に任命したこと、(ここで明かされたのではなかった気がするけど)自分の妻であるエミーリアと不倫したとの噂が出たことでオセローを恨んでいます。

ロダリーゴーは好きだったデズデモーナとオセローが結婚すると知ってオセローを恨みます。

 

 

オセローは黒人ながら、軍人としてとても優秀で国でも一目置かれている存在。

でも、一方で差別も激しい感じ。

 

オセローに対する恨みとか、これからどうするのか、とか舟の上で喋るわけですが、ここですでにイアーゴめっちゃ喋ります。

シェイクスピアの劇史上2番目にセリフが多い(1番はハムレットらしい)と言われるだけあるね。

1つ1つのセリフが長いんですよ。

なんか、「。」に行きつくまでが長いっていうのかな。

本当に、あれを覚えているって尊敬しかないですね。

 

 

そしてまずオセローとデズデモーナの結婚を知らないデズデモーナのお父さんへ、2人が内緒で結婚したことを伝えに行きます。

 

イアーゴはオセローの部下なので姿を見られないようにしますが、ロダリーゴーはデズデモーナのお父さん側なのでロダリーゴーが場所を知ってるから案内しよう、と言います。

その間にイアーゴはオセローのもとへ。

 

娘を探しに行くぞ、と部下を総出させて夜中にも関わらず探しに出ます。

 

調べたら舞台となっているヴェニスって、今のヴェネチアなんですね。

水の都!

だから移動がずっと舟だったのか、と今更感じてます←

 

と、まあ舟で探しに出かけるわけですよ。

 

 

 

オセローはオセローでイアーゴとともに舟に乗ってます。

なんとこの舟は花道から登場!

いや、まじでどうやって動いてるんや・・・

 

で、ここでオセローが国の緊急会議に呼ばれているということが発覚します。

ヴェニスは当時、トルコとの戦争中でその戦況に変化があったわけですね。

デズデモーナのお父さんも国の要人なのでその会議に呼ばれてるのですが、まずは娘のことを確認しないと気が済みません。

 

オセローを見つけたデズデモーナのお父さんはオセローを問いただします。

オセローは別にやましいことがあっても隠すタイプではなく、むしろそれがどうした?とでもいうような性格なので正直に結婚したことを伝えます。

何か罰を受けなければいけないのなら受けてたとう、と。

 

そんな罰を決めるほどの権限をデズデモーナのお父さんが持っているわけではないので、一緒に会議に参加し、その罰について話し合おう、ということになって2人とも会議へ参加することに。

 

 

 

会議ではトルコ軍がキプロス島へ攻めようとしている、という議題。

そこへ優れた将軍オセローを派遣し、キプロス島を守りたいというのが国の考え。

 

会議にやってきたオセローとデズデモーナのお父さんはその話よりも先にデズデモーナとオセローの結婚について話し合います。

デズデモーナもその会議に呼び、真相を確かめたのです。

 

 

そう。

ここでついにデズデモーナが登場するわけですよ。

もうね、美しいってこういうことか、っていうくらい美しかった。

白いドレスなんやけど、純白のドレスと肌の色が一緒っていう。

3階席から見ててもオーラが違ったのわかったもん。

やっぱ、宝塚ってすごいわ。

 

 

そんな美しいデズデモーナが黒人など選ぶはずがない!ってお父さんは思ってるけど、実はデズデモーナはお父さんのことを騙しながら何度もオセローと会っていて、本当に好きになって結婚したのだ、と伝えます。

2人が愛し合っているとわかって、どうにもできないとわかったお父さんは仕方なく認めることにします。

 

 

このくだりをずっと家臣やほかの会議に参加する人達は取り巻いて見ていて。

1つ1つにほかの人は反応するけど、イアーゴだけが何の反応も示さずに姿勢を変えないんですよね。

それがもうめっちゃかっこいい。

立ち姿だけでもかなりかっこいいけど、それを見てもう頭の中にどうしようかと計算しているのか、って考えたらもっとかっこいい。

 

 

で、結婚を認められたオセローはキプロス島へ行くことも決意。

そのキプロス島に行くのにデズデモーナもついていきたいと言います。

さすがにそれは、と言いますが、結局デズデモーナもついていくことに。

その条件が信頼できる家臣、イアーゴがついてくれるから、というもの。

 

そうです!

ここではまだ信頼できる家臣イアーゴ!!

それまでの行いからイアーゴは誰もから正直で忠実なイアーゴと呼ばれるくらい、信頼されてるのです。

本当は復讐のことしか考えてないのに!!!

誰のことも信頼なんてしてないのに!!!

あー!!好き!!!!

 

 

そして会議はお開きになり、みんな各々の家へと帰ります。

でも、帰り際にお父さんがオセローへ忠告を残します。

「こいつは実の父親を騙した女だ。お前もいつか騙される。必ず。」

まさにこの後を予告したセリフ!!

このときはオセローはデズデモーナ大好きなので欠片も信じてません。

まさかこの後このセリフが生きるような展開になるなんて知らずに!

んー!計算されつくしてる!!

 

 

そして、イアーゴとロダリーゴーだけは帰らずに会議していた部屋に残ります。

この後の作戦について話し合うために!

 

ここでイアーゴがこれまで着ていたマントを脱いで軍服姿になるんですけど、これがまたかっこいい!

そしてそのまま机に座るんですけど、座り方までかっこいい!

足を片方あぐらみたいにして、もう片方は下ろしたままなんですけど、服が軍服っていうのもあり、めっちゃかっこいい。

 

 

あ、作戦について話さなきゃ←

 

 

イアーゴは本来、来なくてもいいロダリーゴーへキプロスに一緒に来るように伝えます。

もちろん、変装して。

そこでオセローからデズデモーナを奪い、最終的にお前のモノにしてやる、と。

だから金を用意しておけ、と言います。

ここで何回も「金だ、金を用意しておけ」みたいなセリフを言うんですけど、もうその荒々しいセリフですら好き。

普段の神山さんはいい子ですからね。

言葉遣いも綺麗やし。

こんな言葉言わんから、そのギャップって言うんでしょうか。

マジでイアーゴ好きだ。

 

 

親友であるイアーゴにそう言われ、急いで金を用意してくる、と去っていくロダリーゴー。

ここから来ました!

イアーゴの1人喋り!!!

 

 

イアーゴは実はロダリーゴーのことを親友だなんて思ってないわけですよ。

あのバカをどう転がすかって算段立ててるわけですよ!!

うわぁ、好きいいいい

 

しかももう自分以外の人間は全員自分より下だって思ってるから完全に人を馬鹿にした感じで笑うんですね。

嘲笑うってまさにこのこと。

いわゆる、「少年たち」の看守長に近いんですけど、でも、あの手の笑い方で私は1番好きです。

イアーゴの嘲笑い方は最高。

なにわぶ誌で照史君が「そんな声出せたのね」みたいな話してたけど、ほんまにそう。

こんな笑い方できるんかよ!!ってなった。

 

 

そしてイアーゴは机から降り、上手にあった地球儀を手に取ります。

地球の部分が取り外せるようになってて、たぶん風船とかの類なんやと思うけど、そのまま手の上でぽんぽん飛ばしてまるで弄ぶかのようにします。

勝手に「世界は俺の手中にある」っていう暗示なのかな、って解釈したんですけど、そうだとしたらほんま、このシーン好きしかないよね。

 

そのまま机の上に寝転び、地球をぽんぽんしてると幕が下りていきます。

 

ここで1幕が終了。

 

 

 

1幕だけでもこの劇のセリフ量の多さがすごいし、これでも削ったってインタビューとかで言ってたからほんまのシェイクスピアはどんだけ役者に喋らせてたんや・・・ってなりますよね。

普通にイアーゴ以外の人達も割と喋るしね。

カタカナが多いから余計に長く感じるのかもしれない・・・。

 

あとはもう衣装がいいよね!!!

中世ヨーロッパの衣装めっちゃよい!!

 

白と黒の対比とか、マントを翻す姿とか、全部計算されてるんやろうな、ってわかってても好きです。

 

 

 

 

 

では2幕に行きましょう!

 

 

2幕は1幕最後でキプロス島へ行くことになったオセローがキプロス島に到着するところから。

 

キプロス島にトルコ軍やオセローが到着する前に嵐が起き、トルコ軍はその嵐によって大破します。

キプロスの現地にいた人達はそれによってトルコ軍がほぼ壊滅状態で戦闘不能と判断。

それと同時に国からまずキャシオーの船がキプロス島に到着します。

 

本当はキャシオーの船はオセローの船とともにキプロスに到着するはずでしたが、嵐によって離れてしまい、先に到着したキャシオー。

でも、トルコ軍が戦闘不能であることを確認済みでキプロス島へ勝利を告げます。

 

その後、デズデモーナを乗せた船も到着。

そこにイアーゴと妻のエミーリアもいます。

 

 

この時点でイアーゴはキャシオーとデズデモーナを不倫した、という事実をつくりあげてキャシオーの地位を落とし、オセローも破滅させようと企んでるわけですよ。

でもそんなことを知らないキャシオーはデズデモーナに宮廷風の挨拶で出迎えます。

(キャシオーは宮廷系の出身という設定なんだと思う)

 

宮廷風の挨拶、というのはいわゆる手のひらにキスしてハグする、みたいなやつですね。

オセローもイアーゴも根っからの軍人なのでそんな挨拶は基本しません。

手のひらにキスするだけでも十分噂を創り上げるのには十分なわけです。

 

このシーンでイアーゴの心の声風なセリフがあるわけですが、それがまたいい感じに目が死んでるし、この後のことが楽しくて仕方ないって感じで本当に好き。

「そうだ、もっとやれ」みたいなことを囁くの。

その時の声がいいよね。

いや、マジであのボイス常に聴いてたい・・・

 

 

そしてしばらくするとオセローが到着。

 

オセローの口からもヴェニス軍の勝利が伝えられます。

勝利に対してもちろん喜ぶ兵士たち。

でも、イアーゴはいつも通り。

喜んでる風ではあるけど、ほかの人より明らかに冷めてるし、そんなことよりこの後のことの方が大事だって感じで、ほんま上から見てるとこの対比がよく見えて最高です。

3階席はいいぞ←

 

 

そして喜ぶ兵士たちが各々はけていくと、また残ります、イアーゴとロダリーゴー。

 

ロダリーゴーは言われた通り付け髭をして変装してきてるんですよね。

健気・・・。

 

で、作戦会議です。

どうやってキャシオーを崩すか。

 

キャシオーは酒に弱く、それを利用することになります。

イアーゴがキャシオーに酒を飲ませ酔わせます。

そしてそのキャシオーに対してロダリーゴーが喧嘩を吹っ掛けます。

どんな些細なことをきっかけにしてもかまわないから島中に広がるくらい騒ぎを大きくしろ。

それがイアーゴの命令です。

それだけ大きな騒ぎを起こせば罰を受けるのは免れない、ということです。

 

 

この話をしてるときにイアーゴがセットの階段に寝転ぶんですけど(この時セットには結構大きめの階段が3つ上手、中央、下手にあります)、その寝転んだ姿が上から見えるよ3階席!!

1階席からどう見えてたのかは全然わからないんですけど、どこの青春学園ドラマだよ、みたいな感じで、手を上に、後頭部辺りで組んでたはずです。

軍服でそんなことするなよ!!

かっこいいだろ!!!!

この写真、どこの雑誌でもいいからどっか撮影成功しててほしいなぁ・・・。

マジでこの写真めっちゃほしいよ・・・

この舞台で3番目くらいにほしい(1番ではない)

 

 

イアーゴの作戦は理屈が通っていたので納得し、自分の負担もそこまで大きいわけじゃなかったのでロダリーゴーは納得して帰ります。

そしてイアーゴの1人喋りのお時間。

 

もうね、完全にロダリーゴーをただの駒としか思ってないんですよね!

自分に従順な駒!

なんなら自分のことを正直で忠実だなんて思ってるヤツはみんな駒!

何もかもが自分より下だと思っているその目その声その仕草!!

あああ、大好きだああああ!!!

マジで神山さん、いつの間にそんなに冷たくて人を馬鹿にした表情ができるようになってたの?

あんなかわいい笑顔の裏でそんな顔できるようになってたとか聞いてない。

もうこの辺、終始口元に手持って行っとかないと好きいいいって言いそうになるレベルで好きでした。

 

 

 

そしてシーンは変わり、宴会のシーン。

戦争への勝利とオセロー将軍の婚礼を祝います。

 

戦争への勝利を祝う席なので男ばっかり。

酒を飲めー!みたいな歌を歌ってます。

私は割とこの歌好きだったよ。

音楽劇じゃないから歌詞とか一切わからないのが残念ですよね。

ほんま、こういうのって絶対需要があるから歌詞開示してほしい。

全私が求めてる←

 

 

 

その後イアーゴとキャシオーも宴会の場にやってきます。

キャシオーは自分が酒に弱いのはちゃんとわかってるので最初、酒を飲もうとしません。

でもそれでは作戦が進まないのでイアーゴはせっかくだから、と1杯だけ、と飲ませます。

1杯飲めばもう何杯飲んでも一緒ですよね。

ってなわけで楽しくなってきたキャシオーは飲み比べ対決までしてしまいます。

その様子を見守るイアーゴ。

ちゃんと表情はわからなかったんですけど、その時も続いてた歌に一切乗らずにじっとキャシオーを見つめてるからどうせこの後のこと考えてたんだろ!!

 

 

で、宴会の中からロダリーゴーがイアーゴのもとに来て今だ、とでもいうようにキャシオーの後ろにつかせます。

キャシオーはもう飲めない、と宴会の場を後にします。

中央の階段を登って。

途中、「酔ってるだろ」って言うと「酔ってないよ!」って言うもう完全なる酔っ払いなところも見せます。

これはもちろん前振り。

 

階段を昇ってはけてしまったキャシオーとロダリーゴーはちょっとした後、騒ぎを起こします。

ここでロダリーゴーが何て言ってキャシオーに仕掛けたのかわからないのがちょっと残念!

次に2人が階段の上に出てきたときにはもう喧嘩が始まってます。

なんならキャシオーは剣を抜いてます。

それを見たイアーゴは最初ちょっと嬉しそうなんですよ!!!

そうだよね!

自分の思い描いてた通りになってるもんね!!!

 

で、キャシオーをキプロス島の現地の偉い人が止めに入ります。

ロダリーゴーがこの辺で階段落ちしてたかな?

隣にいた方が「うわ!大丈夫かな?」って心配してはったけど、それ以外の同担と思わしき人達は光一様の階段落ちを知ってるから誰も心配しない←

そしてそのまま身バレしたら困るので逃走。

イアーゴは追いかける素振りを一瞬見せるけど、それよりもキャシオーを止める方を優先します。

正直で忠実なイアーゴだからね!

騒ぎは止めなきゃね!!

 

そして大きくなった騒ぎを聞きつけたオセローが宴の場に登場。

1番信頼できるイアーゴへ何が起こったのか説明を求めます。

でもイアーゴはすぐには話しません。

自分にも何が起こってるのかわからない、とはぐらかします。

 

オセローはキャシオーやキプロスの人にも説明を求めますが、キプロスの人がイアーゴに説明させます。

仕方なくイアーゴはオセローに事の顛末を話します。

もちろん、ロダリーゴーのことは言わずに。

キャシオーと話していた島の人間が何か言ったのか、キャシオーが怒り出し、喧嘩になった。

島の人間を追いかけようとしたが、逃げ足が速く逃がしてしまった。

そこを追い詰めるより、この事態を納める方が先だと感じ、こっちに来た。

イアーゴの説明はこんな感じ。

えぇ、そうです。

めっちゃ筋が通ってます。

全部自分が仕掛けたんだもんね!!!!

 

イアーゴは誰にでも酒に酔って失敗することはある、とキャシオーへの罰を軽くするよう求めますが、この場合、これは逆効果。

まあ、もちろんそう知ってイアーゴは罰を軽くするように求めてるんですけどね!

こうすればイアーゴはオセローからキャシオーを守ろうとする優しい人間だと映るからね!

オセローは単純な人なのでもうそれはそれはまんまとその思惑にハマっていくわけですよ。

 

そしてキャシオーは騒ぎを起こした罰として副官を解任されます。

 

 

副官を解任されたことはもちろん、その理由が自分が酒に酔ったからということで名声の全てを失ったキャシオーはまるでこの世の終わりかのように落ち込んでしまいます。

(落ち込むっていうか、打ちひしがれる?)(語彙力)

 

イアーゴはそんなキャシオーに寄り添い、まだチャンスはある、と言います。

でもキャシオーはもうオセローに顔向けできない、と言います。

それなら、デズデモーナに頼めばいい。

オセローはデズデモーナに完全に惚れているから、彼女の言うことなら何でも聞く。

デズデモーナも優しい人だからキャシオーの人柄を理解しているし、きっとオセローに掛け合ってくれる。

そうイアーゴがキャシオーに伝えるんですね。

もうあたかも正論ですよね!!

っていうか正論なんですよね!!

だからキャシオーも納得して明日の朝1番にデズデモーナのところに行く!と言って去っていきます。

 

さあ、やってきました、1人喋りのお時間です!!

 

 

私はここの1人喋りが1番好き!!

 

これから起こることを全部喋ってくれるんですよ。

キャシオーがデズデモーナに頼むと、デズデモーナは絶対にキャシオーの力になろうとします。

そこでオセローにキャシオーとデズデモーナの噂を吹き込む。

すると、オセローはキャシオーのために必死になるデズデモーナが疑わしくなってくる。

デズデモーナが必死になればなるほどその疑いは深くなり、ますます信用できなくなっていきます。

それを全部計算して動いてるイアーゴ!!!!

えええ、好きいいいいいい!!!!

 

あともうこのシーンの何が好きかって言うと、中央に胡坐をかいてるんですけど、それを上下(かみしも)のスポットでそれぞれ反対側の壁に影が綺麗に映るように照らされてるんですね。

しかも、背景は赤の照明で、その影付近だけ白。

喋るイアーゴの表情はもちろん良いんですけど、この映る影がイアーゴの内に秘めてる悪魔を暗示しているような気がしてすごく好きです。

影だから表情はないんですけどね。

でも、その喋ってる姿を映し出してるのがこんなにも美しいのか、と思えるくらいよかった。

なんだよ、この演出最高かよ。

あとここだったと思うんですけど「筋書は全てここにある」って言って頭を人差し指でとんとんってするんです。

くそかっこいい。

え?何その最高に厨二病なセリフ?

好きだよ!!!!

いや、マジでこのシーン、舞台を通して好きなシーンランキング第2位です(1位ではない)

 

 

 

そして次の日、キャシオーが早速デズデモーナへ話をしに行きます。

優しいデズデモーナはキャシオーの頼みを受け入れ、オセローへ話すことを約束します。

本当はそのままオセローに直接話せば、と提案しますが、オセローに顔向けできない、とキャシオーは断ってその場を走り去ります。

ちょうどその後姿をオセローとイアーゴが見るわけですね。

 

イアーゴはわざと「まずい!」と言います。

わざと。

「何がまずいんだ?」とオセローに聞かれることを狙って。

でも、聞かれたら聞かれたではぐらかすんです。

「なんでもないです。」と!!!!

 

とりあえずその場はやり過ごし、オセローにデズデモーナがキャシオーのことを頼みます。

最初は渋るオセローですが、結局はデズデモーナが大好きなので彼女の頼みを聞き入れます。

そんな幸せオーラ全開でデズデモーナはエミーリアとその場を後にします。

 

 

 

キャシオーの話をすると、イアーゴは意味深な感じでオセローに質問します。

キャシオーはデズデモーナとオセローの婚姻の際の仲介人みたいなこともしていて、その話を聞いてあからさまに驚きます。

もちろんオセローはなぜそんなに驚くのか、と聞きます。

でもここでもまだ言いません!!

まだ自分の中で疑問なだけなのに将軍にこんなことを伝えるのは申し訳ない、と。

証拠がないことを伝えてうろたえさせたくはない。

自分のせいで2人の仲をどうにかしたくはない。

もちろんオセローの好奇心を煽るためだけに言ってるんですけどね!!!

 

 

最終的にオセローは無理矢理イアーゴに何をそんなに疑問に思っているのか吐き出させます。

そしてイアーゴがついに最近キャシオーとデズデモーナが2人きりでいるところをよく見る、と伝えるのです。

でもまだよく見るだけで、何かがあったわけではない。

証拠はまだ何もない、と何度も伝えます。

ここがポイントですよね。

何度も。

あえて不安を煽ろうとしてるんですよ、彼は!!!!!!

 

 

そしてそのままオセローは不安を隠すようにしてはけます。

その後数日間の様子がハイライト風になるんですけど、それがイアーゴの語りなわけです。

どんどん不安のせいで弱っていくオセローとその毒をもっともっとと煽るイアーゴ。

さらなる追い打ちをかけるためにエミーリアにデズデモーナが大切にしているオセローからのプレゼントであるハンカチを手に入れろと頼みます。

 

 

で、その手に入れるシーンがもうオセローはデズデモーナを全然信用できないってところ。

ここであのお父さんに言われていた「お前も騙されるぞ。必ず」のセリフが活きてくるんですね!!

イアーゴが煽るんですよ。

実の父親をだましていたような女だ、と。

本来なら同じヴェニス人と結婚すればいいものをなぜオセローのような黒人を選んだのかがわからない。

遊びのつもりなんじゃないか。

そうやって煽られたせいで、普段と変わらず過ごすデズデモーナのことがもう全然信用できないんです。

愛らしい表情を見せる度にこれは俺をだますための笑顔なのか、となってしまうわけですね。

そしてキャシオーのことを頼むデズデモーナはキャシオーと不倫している証拠だと思ってしまうようになり、どんどんデズデモーナへの当たりがきつくなります。

その言い争いの時にデズデモーナがハンカチを落としてしまいます。

運よくそれを拾ったエミーリアは言われた通り、イアーゴへそのハンカチを渡します。

 

用途を聞いたものの、上手くはぐらかされてしまったため、エミーリアは何にそれが使われるのかわからないまま、デズデモーナの元に戻ります。

この手に入れた後の2人のシーンでキスシーンなんですけど、もはやそんなことどうでもいいレベルで私はイアーゴの狂い方が好きです。

あとでTwitter見てたら割とキスシーンどうたらこうたらな人がいてびっくりしたくらい。

そんなことよりあの表情だろ←

もちろんキスシーンもよいけどさ!!

何といってもイアーゴがオセローを恨む理由の1つに奥さんと浮気したから、っていうのがありますからね。

何度舞台で「俺の女房に跨ったことがあるらしい」というセリフを聞いたことか・・・

うぅ、神山さんにこのセリフ言わせた脚本家の方、ほんと金一封送りたい・・・

 

 

 

こうしてハンカチを手に入れたイアーゴはまたあの人を馬鹿にしたような笑顔を浮かべてこの後の作戦を話してくれます。

そう。

この後、ハンカチをキャシオーのいる宿舎に落としておくのです。

もちろん、キャシオーは誰のものか知らないから拾うでしょうし、それをオセローが見たら間違いなく決定的な浮気の証拠になります。

ああ!!

イアーゴ策士すぎて好きいいいい!!!(n回目)

 

 

 

そしてオセローがついに妻を疑い続ける生活に耐えれなくなり、この秘密を唯一知っているイアーゴに相談します。

もう何もかもが疑わしく見えてしまうのだ、と。

そして全てそれはイアーゴのせいなのだから証拠を持ってくるように命じます。

はい、証拠ね!!

ありますよね!!!!

さっき仕掛けたハンカチが!!!

まあ、すぐに言うわけじゃないんですけどね。

 

 

イアーゴは状況的な証拠として、デズデモーナがキャシオーを復帰させるためにどれほど必死になっているかを確認するよう伝えます。

そして、物的証拠としてデズデモーナとオセローの愛の証といえるものがキャシオーに渡っていないかを確認させます。

 

もちろん、デズデモーナは今キャシオーに頼まれたから復帰させることに必死です。

優しいですからね。

少し前のオセローならデズデモーナが優しいからこんなに必死なのだとわかっていたはずなのに。

デズデモーナを疑うことしかできなくなったオセローからは、ただ浮気しているという疑惑が強まるだけ。

お互いがお互いの想いを確認しようとすればするほど悪循環に陥るという!!

これを計算しつくしてるイアーゴ最高じゃないですか?

 

 

 

そして例のハンカチ。

オセローにとってもデズデモーナにとっても大切なものですが、デズデモーナは気づいてない内にこのハンカチを落としているし、それに気づかぬ内にイアーゴのもとに渡ってしまっています。

探しても見つからないハンカチと、ハンカチを出して確認しようとするオセロー。

今はないから出せないとデズデモーナが言えば、ますます浮気しているのだという思いが強くなるオセロー。

人間ってこんなにも誰かの思う通りに動いていいのか、と思うくらいイアーゴの思い通りに動いていく2人。

 

 

それに追い打ちをかけるようにイアーゴはキャシオーを呼び出し2人で会話しているところをオセローに少し離れたところから聞かせます。

ポイントね。

少し離れたところ。

会話がしっかり聞こえるわけじゃないけど、表情はしっかり見える場所ってことです。

もう策士なのが隠せてないね!!

 

 

イアーゴはオセローへ今からキャシオーとデズデモーナの話をする、と伝えます。

でも実際には、キャシオーが言いよられているキプロスの酒場の女(ビアンカ)の話をします。

キャシオーは別にビアンカのことが好きというわけではないけど、自分に惚れていて言うことを聞いてくれるから都合のいい女と認識してるわけです。

さあ!

これを離れたところから見るオセローにはどう映るでしょう?!

そうです!!

オセローはキャシオーがデズデモーナのことを都合のいい女と思っているように映るのです!!!

 

 

しかもイアーゴはあえてビアンカの名前が出ないように会話を進めるし、でもキャシオーがビアンカを下に見てるのがしっかりわかるような会話をするんですよ。

時たま大きな声になるキャシオーの声は聞こえるオセロー。

でも会話が会話ですから、どう聞いてもデズデモーナを遊んでいるようにしか聞こえないわけです。

 

しかもこの少し前にハンカチを拾ったキャシオーはビアンカに渡してるんですね。

同じ刺繍を縫ってほしい、と。

単純にキャシオーは刺繍が気に入ったから、ってだけなんですが、ビアンカとしても明らかに女物のハンカチを渡されたことが気に入らないわけです。

最初はキャシオーの頼みだと思って持って帰ったけど、やっぱり納得がいかなくて返しに来ます。

それがこのタイミング!!!

 

つまりオセローにはキャシオーがデズデモーナと自分の愛の証であるハンカチを島の酒場の女なんかに渡してやがる、という風に映るわけです!

イアーゴがここまで計算できていたかどうかは微妙ですが、彼にとっては好都合でしかありません。

そのまま機嫌の悪くなったビアンカを追いかけてキャシオーはその場を去ります。

 

 

もうオセローはデズデモーナとキャシオーが浮気していると確信しています。

そりゃそうですよね。

全部イアーゴが仕掛けたことなのにね!!!!

 

 

 

そしてイアーゴと2人のシーン。

たぶん、ここだと思うんですけど、イアーゴの忠告のせいでこうなったんだと最初イアーゴを責めるんですよね。

それで首を絞めるんです。

この首を絞められてるときのイアーゴの顔がめっちゃよかった。

首を絞められて、解放されたときの顔。

もうすでに恨んでるから何回もそういう顔してるけど、初めて本人の前で殺してやる、っていう顔をしたのがここだと思うんですよね。

 

 

 

ちゃんと自分はまだ確証のないことだから信じないでと言って了承したから話したのに。

こんな正直に生きるんじゃなくて賢く生きればよかった。

そう言ってその場を立ち去ろうとするイアーゴ。

もうどの口が言ってんだよ!って感じですけど、ここめっちゃ好きです。

オセローを軽蔑してる感じ。

ここは本当のイアーゴが出てると思うんですよね。

それまでの正直で忠実なイアーゴは演じられたイアーゴ。

でもここのオセローを軽蔑し、恨むイアーゴは本当のイアーゴ。

その感じがすごく好き!!!

 

そして階段を昇り(舞台中央に大きな階段があります)立ち去ろうとするイアーゴをオセローが呼び止めます。

自分に協力してほしい、と。

 

 

めっちゃ大事なシーンなのにどういう展開でイアーゴがオセローに協力することになったのかの記憶が抜け落ちてるんですけど、そのあと、イアーゴがオセローに忠誠を誓うんです。

このとき、照明も階段の上に見える月も赤色。

そして、忠誠を誓った後、月の色は白く、照明も元の雰囲気に戻ります。

あの赤色に舞台が染まったとき、オセローも悪魔へ魂を売ったみたいな感じがして、この照明の使い方がすごく好きです。

 

そして2人は肩を組んで階段を昇って行きます。

この昇っていく前にイアーゴが客席を見るんです。

少しだけ口角をあげて!!!

いや、まあ双眼鏡とかで見てたわけじゃないんですけど、でも私には口角をあげているように見えた!!!!

全て俺の思い通り、とでも言いたげな顔してたの!!!!

 

 

 

そして2幕が終わるのです。

 

 

 

ここでようやくイアーゴの何がいいのかメモを書いてたときの私が気づいたみたいなんですけど、イアーゴ全体を通してずっとちょっと猫背なんですよね。

ひざまづくときも、立ってるときも。

前傾姿勢と猫背の間っていうのが正しいのかな?

なんか、そういう姿勢の時点でもう神山さんじゃなくてイアーゴなんですよね。

いや、マジでイアーゴかっこよすぎる。

っていうか、こんな設定で1つ話を書き上げるシェイクスピアってやっぱりすごいんだなって思いますよね(小並感)

すごく病んでたんだと思う←

 

 

 

 

さて、3幕に行きましょう!

 

 

 

3幕は2幕の最後から。

忠誠を誓い、階段を昇る2人がもう1度見られます。

この時もイアーゴはにやりってします!

どこまでも好きだよ・・・。

 

 

そしてオセローと3日以内にキャシオーを殺すことを約束したイアーゴはロダリーゴーのもとに向かいます。

ロダリーゴーはこの時くらいからイアーゴの言うことを聞いてもデズデモーナは自分のものにならないんじゃないか、と疑い始めます。

ようやく←

 

せっかく島に来る前に作っていた金もつきそうだし、デズデモーナが自分のものになる気配もない。

自分はイアーゴに騙されてるんじゃないか。

ようやくそう感じたロダリーゴーはイアーゴを責めます。

でもイアーゴは動じません。

どこまでもロダリーゴーは自分の駒ですから!!

 

イアーゴはロダリーゴーへキャシオーを殺せと言います。

それでもデズデモーナがロダリーゴーのものにならなければ自分を殺していい、とまでいいます。

そのイアーゴの気迫に負けたロダリーゴーはキャシオー殺しを決行することを決めるのです。

 

 

その後、オセローとデズデモーナのシーンが続きます。

この辺から舞台の壁が鏡になるんですよね。

もしかしたら1階席は役者さんに隠れてしまって正面の顔が見えないのかもしれませんが、3階席からだと後ろを見ているシーンでも鏡のおかげで表情がまるわかり!

いや、まじで3階席はいいぞ←

 

内容に戻りますね。

オセローとデズデモーナのシーン。

もう2人の仲は1幕のラブラブが信じられないほどになってしまっています。

オセローはついにデズデモーナに手をあげるようになるのに、それでもデズデモーナはオセローを信じ続けるのです。

それがオセローのデズデモーナを疑ってしまう気持ちを強めているとも知らずに!!

 

ついに心が折れそうになったデズデモーナはイアーゴに助けを求めます。

無駄なんですけどね!!!

この状況を創り上げたのは彼なんだよ!!!

そう思いながら見てると最高です。

イアーゴはイアーゴでそんな素振り見せないんですもん。

エミーリアと一緒にデズデモーナを心配するフリをするんです。

全部自分で仕掛けたくせに演技しやがってコノヤロー!!

最高だよ!!!

 

そしてエミーリアとデズデモーナが去った後、私の1番好きなシーンがきます。

先程鏡について書いてたと思うんですけど、それまでは正直、普通の壁でもよくね?っていうシーンが多かったんです。

でもここで、1人になったイアーゴが鏡の方を見て悪魔のような顔を浮かべるんです。

その表情が最高です。

本当に最高です。

神山君、本当にいつの間にそんな顔できるようになったの?っていうくらい最高です。

その鏡に映った悪魔を見た瞬間、イアーゴ自身も恐れて声を上げて驚くんですね。

それにどんな意味があるのかは深く掘り下げられなかったんですけど、本当のシェイクスピアはこことかをもっと深く掘ってたのかな、と。

明らかに1人喋りしてそうやったし。

でも、それだけでこのシーンが終わるのもすごく考えさせられるので脚本の抜き出し方がすごいなぁ、と思いました。

私的解釈はここで初めてイアーゴが自分の中にいた悪魔の存在に気づいたんだと思います。

っていうか、イアーゴはイアーゴだったのが、完全に悪魔がイアーゴの身体を乗っ取ろうとしてたんだと思います。

なんであろうと、このときの表情が最高でした。

どの媒体でもいいからこの時のイアーゴの写真納めていてほしい・・・

ちなみに散々順位つけてたのの1位はこのシーンです。

舞台通して1番いい顔してたし、1番考えさせられるし、1番好きです。

 

 

この間も色々シーンがあった気がするんですけど、あんまりイアーゴが関わってたわけじゃないので省きますね(覚えてないだけ)

(たぶんこの辺でヴェニスからオセローを迎えにきた人達が来る)

 

エミーリアとデズデモーナ2人のシーンに行きます。

 

 

 

デズデモーナはエミーリアにどうして自分がオセロー以外を愛することができようか、みたいな話をします。

でもエミーリアはもし誰かと浮気して世界の全てが自分のものになるとすれば、私は浮気をするかもしれない、と言います。

世界を自分のものにすれば、夫を皇帝にできるのだから、と。

 

待って、エミーリア、あなた、そんな人だったの!!!?

なんだよ、この夫婦最高かよ。

 

でもこのセリフは、たぶんこの時点でエミーリアがイアーゴのことを疑ってるという意味なんだと思うんですよね。

イアーゴが副官につきたかった、という思いを知ってるからこそエミーリアはきっとこんなことを言ってるんだろうし、もしオセローと浮気したことがあるとするなら、それもイアーゴのためだったのだろうと思わせるシーン。

 

対してデズデモーナはそんなことがあったとしても絶対にオセロー以外を愛することはない、と言います。

デズデモーナの白の衣装がさらに映えますね。

心の底から彼女は真っ白なのです。

 

 

そんな2人の対照的なシーンの後はいよいよキャシオー殺しのシーン!

 

 

暗闇の中で剣を構えるロダリーゴーとイアーゴ。

そして何も知らずにビアンカのもとへ行こうとするキャシオー。

その途中を暗闇の中襲うのです。

 

きっかけはロダリーゴーがつくります。

でもさすがに人を殺すのには抵抗があったロダリーゴーは殺すどころか、大きな傷さえ与えられません。

それを見越していたイアーゴがキャシオーがロダリーゴーに夢中になっている間にキャシオーの太ももを刺します。

しかしキャシオーも副官になるだけの実力の持ち主。

ロダリーゴーに傷を負わせ、人を呼びます。

もちろん、イアーゴはばれてはいけないので、即刻その場を立ち去ります。

ロダリーゴーを置いて。

キャシオーの助けを聞いて人が集まり始めると、それに便乗して再登場するわけです。

 

 

傷を負ったキャシオーをほかの助けに来た人達に運ばせ、自分はロダリーゴーのもとへ向かいます。

ロダリーゴーはイアーゴが助けに来てくれたのかと思いますが、イアーゴはそのままロダリーゴーを刺し殺します。

 

そう!

この作戦が終わっても何もなければ自分を殺してもいいと言ったのは、この作戦で自分がロダリーゴーを殺すからだったのです!!!!

まさしく悪魔!!!

こうして全ての罪をロダリーゴーに着せ、イアーゴはオセローのもとへ向かいます。

 

 

 

オセローはオセローでついにデズデモーナを殺すことを決意します。

これ以上、この悪魔に振り回されたくない。

これ以上自分のような人間を出したくない。

デズデモーナはどこから見ても真っ白な天使なのにね!!!!

 

 

デズデモーナは最初、逃げ回りますが、最終的にオセローに首を絞殺されます。

騒ぎを聞きつけたエミーリアが部屋に来た時にはもうデズデモーナは虫の息。

でも、デズデモーナは誰にやられたのかとエミーリアが聞くと、オセローの名前を出さずに死んだのです。

そこでオセローはデズデモーナは本当に自分を愛してくれていたことにようやく気が付きます。

でもまだキャシオーとの浮気の疑いは晴れていません。

エミーリアがなぜ殺したのかと迫るとキャシオーとの浮気を挙げたオセロー。

証拠もあると言います。

そう。

あのハンカチです。

 

ここでエミーリアは全てが繋がります。

 

それは自分が拾ったハンカチで夫に渡したのだと。

 

ちょうどイアーゴもキャシオーを殺したことを報告するためにオセローのもとにやってきます。

 

そこでエミーリアがイアーゴへ、デズデモーナがキャシオーと浮気しているとオセローに伝えたのは本当にイアーゴなのか、と迫ります。

ここで嘘を伝えてもオセローがいるのでどうしようもないイアーゴは頷かざるをえません。

そしてエミーリアは全てをオセローに伝えるのです。

ハンカチをキャシオーに渡したのは夫なのだと。

この状況は全て夫が創り出したものなのだと。

 

もちろん、全てをばらされたイアーゴが黙っているわけがありません。

そのままエミーリアを殺してしまいます。

そしてそのまま逃走。

 

 

全てを知ったオセローは絶望し、自室に隠していた最後の武器を手に取ります。

この時点でヴェニスの国からオセローを迎えに来た要人とかがいるんですけど、その目の前で自分がデズデモーナを殺してしまったことと、その懺悔を述べます。

 

 

そしてついにイアーゴが捕まります。

両手を後ろに縛られ、オセローの前に放り出されるイアーゴ。

 

どちらかというと客席ではなく内側にいるオセローの方を見ているからここでも活躍します鏡!!

 

全ての悪事が暴かれてしまったイアーゴの表情といったら本当によい!

せっかく積み上げてきたものを全て崩され、今までの信用も全てなくしたイアーゴ。

むしろ、悪魔だと恐れられます。

それでも激情することなく、冷たい表情のまま。

 

そんなイアーゴへオセローが刃を突き立てます。

 

でも悪魔は1度刺したくらいでは死なないし、オセローも悪魔をたった1度の苦しみで殺したいなんて思ってません。

本来はできる限り痛みが残るけど、命を落とすことはないようないたぶり方で拷問を続けたいところでしょう。

しかし、オセローはオセローで自分がデズデモーナを殺してしまったという罪に耐えられず、ついに自害します。

 

 

その後、ヴェニスの要人がイアーゴを国へ連れて帰ろうとしますが、キプロス島の人間(賊的な?)が次々と要人たちを倒していき、この事実を国へ持ち帰る人がいなくなるのです。

唯一生き残ったイアーゴは立ち上がり、足を引きずりながらオセローとデズデモーナが眠るベッドの足元でエミーリアの隣に行きます。

この時点で徐々に赤色だった全体照明が落ちていき、イアーゴのスポットとベットのスポットになります。

そしてイアーゴが座り込んだのち、スポットが絞られ、一瞬オセローとデズデモーナの眠るベッドが浮き上がるような照明になった後、完全に暗転し、幕が下ります。

 

 

 

 

 

 

カーテンコールは4回くらい幕が上がったり閉じたり繰り返したかな?

個人的には手をひざに置いてお辞儀するときはイアーゴ、後半の手を後ろに組んでお辞儀するときは神山君に戻ってたのかなぁ、と思ったりしてました。

3回目くらいで両手を振ってくれてそれが天使でしたね。

あれは間違いなく神山智洋

しかもそのあと芝翫さんに腕掴まれてばいばいさせられてたのがとてもかわいかったです。

芝翫さん、ありがとうございます!

 

 

 

 

いやぁ、なかなかの長さで書いてしまいましたが、そのくらい良い舞台でした。

シェイクスピアなんて自分には理解できないだろうとか思ってたけど、そんなことなくて、そこは本当に演出家さんとか脚本の方とかのアレンジが素晴らしかったんだと思います。

確かにカタカナが多いけど、大筋の話は全部理解できたし、その上で役者さんたちがあの声あの表情あの仕草なのか、って感じることもできたし、本当に物語としてすごくよかったです。

ただただ、これを書いた時のシェイクスピア病みすぎやろ、とは思いましたが←

 

だって最後誰も笑顔にならずに終わるんですよ?

あ、でもアマデウスもそうやったかな・・・。

あの時代の人達はみんな病んでるね←

 

 

でも、本当に個人的に神山さんにはいつか最後の最後まで悪役を演じてほしいと思っていたのでこのイアーゴは私のツボでしかなかったです。

すごくかっこよかった。

途中で何度も息を飲むところがあったし、本当に悪魔のように人を馬鹿にし、下に見て、手の上で転がす姿はこの舞台じゃなきゃ見られなかったんだろうな、と思うと抜擢してくださった方には金一封どころじゃないです。

 

「マリウス」のときもそうやったけど、こうやって見てから代役だったんだよって言われると本当はやる予定だった翼君のイアーゴも見たいです。

色々あってあんまり言及したくはないけど、私は翼君のマリウスもイアーゴも見たいので無理しない範囲で翼君がまた板の上に立てることを願っています。

 

 

 

実はこの次の日に「CAST」に参戦するという夢のような2日間を過ごしていたのでそのレポも近々上げます。

頑張ります←

 

 

ここまで長文なのに読んでいただき、ありがとうございました!